JTの業績報告書を熟読してみた

アル
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 こんにちはアルです。先日JTから配当金が入金され、自宅に配当金計算書と一緒に業績報告書が送られてきました。減配発表があったJTの業績を今一度確認していきたいと思います。

 今までアルは主にSBI証券から確認できる四季報を基に企業の情報を確認していました。今回業績報告書を熟読してみて、当たり前ですがJTの状況がよくわかりました。今は情報を画面上で確認することが多く紙で読むことがほぼないので、それもよく理解できた要因かもしれません。

2020年度実績および2021年度業績見込


(単位:億円)

2019年度実績2020年度実績対前年増減率
為替一定ベース
調整後営業利益5,1595,445+5.5%
財務報告ベース
売上収益21,75620,926-3.8%
調整後営業利益5,1594,870-5.6%
営業利益5,0244,691-6.6%
当期純利益3,4823,103-10.9%
2020年度 全社実績


 2020年度実績をみてみると、為替一定ベースでの調整後営業利益は前年度比+5.5%となりました。為替一定ベースとは前年同期の為替レートで計算し、為替の影響を除いたものになります。海外たばこ事業の成長が貢献したようです。

 為替の影響を加味した、財務報告ベースでの調整後営業利益は-5.6%となりました。為替の影響を大きく受けたことがわかります。

 当期純利益が-10.9%と調整後営業利益よりもマイナスとなっています。これは、旧本社ビルの売却収入があったものの、19年に発生した医薬事業での一時金収入がなくなった影響によるものということです。一時的な要因を受けたことがわかります。

(単位:億円)

2020年度実績2021年度見込対前年増減対前年増減率
為替一定ベース
調整後営業利益4,8705,120+250+5.1%
財務報告ベース
売上収益20,92620,800-126-0.6%
調整後営業利益4,8704,750-120-2.5%
営業利益4,6913,630-1,061-22.6%
当期純利益3,1032,400-703-22.6%
2021年度 全社見込


 2021年度業績見込をみてみると、為替一定ベースでの調整後営業利益は+5,1%と見込んでいます。引き続き海外たばこ事業の力強い成長の継続、国内たばこ事業の貢献を見込んでいます。

 財務報告ベースでみてみると、為替の不利な影響と医薬事業での減少により-2.5%と見込んでいます。

 当期純利益は-22.6%と大きくマイナスを見込んでいます。これは20年に発生した旧本社ビル売却収入がなくなるためです。

 こうしてみてみるとJTの減収減益の要因は為替と一時的要因によるものが大きいと感じます。国内のたばこ事業の業績はよくないですが、海外たばこ事業は意外にも好調です。為替の影響が不利になる予想で2021年度は見込を立てていますが、為替はどのように動くかは誰にもわかりません。予想外に円安になるようだと、増収増益の可能性もあるわけです。米国の長期金利が上昇していますし、意外に円安に振れるかもしれません。逆に予想以上に円高に振れてマイナス幅が広がる可能性もあります。

株主還元


 2021年度から株主還元方針が変更されました。

 これまでは一株当たり配当金の安定的・継続的な向上を目指していましたが、今後は配当性向75%を目安としていくことになりました。21年度の一株当たりの配当金予想は130円と、20年度の154円に対し16%の減配予想となっています。

 配当も為替の影響を受け増える可能性もありますし、減る可能性もあります。

今後の保有方針

 海外たばこ事業が好調なのはいい傾向です。為替の影響は考えてもしょうがないので考えません。良い面悪い面、両面ありますが、保有数400株程度とそれほど多く保有しているわけでもないので、今の時点では売却も買い増しも考えていません。海外たばこ事業が悪化していくようなら売却を検討するかもしれません。